上手な復帰の仕方

どんな人でも1度は即死を経験すると思います。
そのまま何もせずに終わってしまわないよう、復帰の仕方を覚えておく必要があります。身に付けておけば格上ランクのゲームでもチームに貢献して長くゲームを続けることができるでしょう。

まずはじめに

農民1人で中心建造

次のようなシチュエーションを考えます。

このとき、開始農民が1人だった場合、農民が150人に達する為にはどのくらいの時間が必要でしょうか。

150人到達

ムリヤリなやり方をすると、およそ10分かかります。

農民10人で中心建造

同じく、開始農民が10人だった場合はどうでしょうか。
先に答えを言うと、6分40秒ほどかかります。

それぞれの参考リプレイ(AOFE Ver2.2)

今回の経過の様子をグラフにするとこんな感じになります。

今回の話で言いたいことは、

ということです。特に言いたいのは(3)です。まずは、死んでも諦めない心を持つことがとても重要です。

定義付け

もう少し前置きにお付き合いください。

様々なゲームスタイルがある中で復帰や即死という言い方はそれぞれ別の意味を持ってしまうので、ここでは

と定義付けをします。特に即死については、本陣に町の中心が残っていたとしても、農民を生産されてはやられていくような消耗ばかりしてしまう状況は、もう壊滅状態にあると捉えます。後述しますが、遷都するタイミングは端的にはこの即死と判断された時に実行すべきでしょう。

遷都するタイミング

迅速な復帰の為に農民数をできるだけ多く確保しておく必要があることは既に述べました。では、「できるだけ多くの農民を確保する」かつ「適切な遷都のタイミング」とはどういった状況でしょうか。

相手に対抗する兵がいない(用意できない)とき

弓多すぎ

弓のかち合いで負けて10体以上差が出てしまうと、上手く連携しても跳ね返せる可能性はかなり低いです。まともに応戦すれば、ただ資源が削られて復帰のタイミングがなくなるばかりです。できれば、敵軍が内政に入り込んでくる前に逃げましょう。

残りの資源量が城主進化分くらいしかないとき

例えばこんな資源量の時です。なお、ゲーム開始25分ほど経過しており、農民は結構やられてしまって20~30人くらいになったとします。

保有資源量(一例)
200 650 300 200

兵を出そうと思えば出せるけど、出してたら城主進化は遠のくばかり。かといって、自陣で粘って内政をしようとしたら農民を削られかねない。こんなシチュエーションだとしましょう。結構あるあるな状況じゃないでしょうか

まず、石は絶対に使ってはいけません。この石は復帰する為の中心建造用に必要です。使えば復帰が大幅に遅れると思ってください。

次に、残りの資源プラスアルファを確保して城主進化を目指すわけですが、後の展開次第になります。中心周りの畑内政だけなんとか生き延びるなら、肉を残り150だけ回収して城主進化を目指します。ただし、これは城主インするまで初期中心が生き延びるという場合に限ります。

割られそうな中心

そうでない場合とはどんな場合か。城主進化までに騎士が襲ってくるなどして初期中心が持ちそうにないとか、塔を建てられて畑内政すら許されない状態にあるといった感じです。この場合は遷都してすぐに市場を建てます。「市場を建てたら伐採所を建てる木すらなくなるじゃないか」と思いますが、これでいいのです。資源量の変遷を以下に細かく記載します。

市場を建てた直後
25 650 300 200

こんな感じです。ここで木を買います。おそらく金130で木100が買えると思います。

木を買った後
125 650 170 200

城主進化分の金がなくなってしまいましたが、背に腹はかえられません。遷都農民が20人くらいいたとしたら、これで伐採所を建ててみんなで木をがっつり切ります。

木を切った後
275 650 170 200

もし、初期中心がなくなっていたら、これで遷都先に中心が建てられるようになったということになります。

遷都先に中心を建造
0 650 170 100

めでたく復帰生活が始まりました。さて、城主に進化するにはどうしたらいいでしょう。この後の肉の調達方法を効率の良い順に挙げると、

といった感じです。ここでは(3)を例にとって資源量の変遷を続けて追いますが、木を切り続けていけばやがてこうなります。

木を切り続けた+農民1人だけ生産
500 600 170 100

20人くらいで木を調達すれば500溜めるのはワケないと思います。この木を売ります。70→69→67→66→64と売れるので、合計336の金を得ます。

木を500売った後
0 600 506 100

これで肉を買います。130→133と値上がりしますが、263の金で肉200が買えます。

肉を200買った後
0 800 243 100

これでめでたく城主押しができますね。

ところで、最後の流れでひとつ言っておきたいのは、畑で足りない肉を獲得して城主を押すというのは遅すぎるということです。市場調整をして肉を獲得するというのは本来効率の悪いことではありますが、今回重視したいのはいかに城主の時代に早く上がって中心を増設するかというところです。時間経過が進めば、味方の誰かが肉を余らせてくるはずなので、復帰の軌道に乗せるまでは畑を活用しない別の方法を考えたいものです。

遷都前にやってはいけないこと

農民を犠牲にして敵軍に対応する

農民でラム割り

抜かれるのを遅らせて、チームの負担を極力軽減したいという思いでやるのでしょうけど、むしろこっちのほうが負担かと思います。例えば、農民が10人死んだ代わりに相手の抜き作業が2分遅れたとします。では、その農民10人は中心1個で生産するのにどれだけ時間がかかるでしょうか。6分10秒もかかります。中心2個で生産しても3分5秒です。

やや複雑なトレードオフですけど、農民が生存をしていて仕事をし、利益(資源)を生むということはゲーム上かなりの価値があることだと個人的には思います。少なくとも、早く復帰をしたいという思いがあればこんな行為は控えるべきです。

塔を乱立する

費用対効果を見ると、かなり効率よく自陣の防御力を上げることができますが、まず感じてほしいことは内政が強くなるわけではないということです。変な言い方ですが、敵が塔の下に攻めてきて初めて塔の効果があるとも言えるでしょう。そうすると、敵が塔の乱立を避けて別の人を攻めたりしたら、塔を建てた資源分がまるまる損になってしまいます。

一番悲惨な流れは、塔を駆使して自陣を生かすことはできたけど、帝王の時代に行く頃には対面と圧倒的内政差になってしまい、塔も含めてあっという間に突破されてしまうという流れです。こうなると、最初から復帰に専念していた方が後々の貢献度が変わってくるというものです。

大雑把なプロットをしましたが、こんな風に差が出てしまったりすることもあるので、他の人の頑張りでゲームが続くようだと、ムダな抵抗がもったいないことがお分かり頂けるかなと思います。

遷都する場所

限られた場所になると思うので、だいたい同じような場所になります。例をいくつか示します。

遷都例1

一番分かり易いパターンです。迷うことなく6時方向に逃げます。ただし、このパターンは復帰しやすい半面、交易路の確保が難しい配置です。

遷都例2

このパターンはかなり迷うので、それぞれ解説を交えます。

①は最も近い距離であり、ここで復帰が成功すれば交易路の確保もできます。しかし、敵からみれば交易路の拠点となる場所であるので攻め落としたくなります。復帰をするような人間の陣地であれば攻め落とすのは容易なことなので、長い目で復帰を考えると候補地にしたくありません。3つの中で1番選びたくない場所です。

②はそんなに遠くないし、比較的味方に守られやすい場所でもあるので、遷都場所としてオススメです。すぐに陣地が手狭になるので、さらに③の方へ移行するか、味方が中央を陣取ってくれることを願って中央に内政を伸ばします。3つの中で1番オススメします。

③は最も安全な場所と言えますが、あまりにも遠すぎます。始めからこの位置で復帰をしようとすると、復帰する時間が大幅に遅れる可能性があります。味方から資源をもらうことも期待できず、細々とやるしかない場合は選択肢に入れてもいいでしょう。

というわけで、②に逃げ込んでかつ味方から資源をもらうのが一番素早く安全な復帰ができそうです。

遷都後の内政

以降、城主の時代で話を取り扱います。

中心建造

最低でも4つ建てます。できれば5つにします。復帰の速度は中心の個数に大きく依存すると冒頭でも話をしましたが、実際の現場においては対面だった敵の内政に追いつく為というのが理由になります。

よく復帰をするのに中心3つで内政を進めてる人がいますが、これをやってしまうと対面だった人の内政発展速度とスピードがあまり変わりないので、要は逆転の目がいつまでたっても出てきません。安全な場所で内政に従事するのですから、せめて内政発展速度だけは相手よりも上回りたいものです。

味方から資源をもらう

これは復帰する側も貢ぐ側もぜひ意識してほしいことです。

例えば、肉200という量をイメージしてください。40~45分経過時に肉200をあげるのは余裕だと思いますが、その肉200はあっという間に消化されてしまうあまり価値のないものだと思います。

これが30分経過時、まだまだ城主内政発展途上の頃に渡す肉200だとします。貢ぐ側は帝王進化を早めたかったり、鉄工所テクノロジーをさらに強化したくなる時間であり、普通なら貢ぐ余裕など全くない時間帯です。しかし、復帰側からしてみれば、肉200あるだけで約2分農民生産を続けることができてしまうのです。帝王の時間帯だと一瞬で蒸発する肉量も、長い時間効果をもたらす時間帯なのです。貢ぐ側はこの投資にぜひ価値観を見出してもらいたいものです。

肉希望チャット

さすがに貢ぎ側は復帰側の内政の全てを細かく掌握してるわけではないので、どれだけ必要かは分かりません。なので、貢ぎ側は具体的にどれだけの資源量が必要なのかはっきり提示する必要があります。復帰最序盤の肉調達は畑が回ってないので非常に難しく、少量の肉が絶大な効果を発揮する時間帯です。この感覚が広く知れ渡ることを切に望みます。

内政テクノロジー

復帰内政に限り、荷車より馬鍬を優先します。資源の収集効率よりも、帝王序盤での木の回し具合を優先する為です。説明するのがなかなか難しいところですが、馬鍬なしで復帰してみると、この言いたいことが伝わるかと思います。馬鍬が遅れると、帝王序盤で兵生産を試みようとした時に木が畑の張り直しに持っていかれて厳しくなります。

また、帝王に入って組合が研究できる文明は必ず組合を研究します。ちょっとでも金の供給源を確保したいからです。

家ミス

これは特に注意してください。せっかく中心を乱立しても家ミスをして農民生産が遅れてしまっては元も子もありません。中心4つが回るようになったら、家農民は最低でも2人使って常時建て続けます。

帝王押し

帝王進化をするだけなら、味方から資源をもらうのが一番手っ取り早いです。自分で金を調達して進化しようとすると、進化がかなり遅れてしまいます。もしくは、木や肉の売値が高いうちにさっさと売ってしまって金を確保するというのも良いです。ちゃんとした内政が回せるようになれば、木や肉はすぐに集まるようになるので、木や肉を売っても特に遅れが生じることはそんなにないです。

農民数目安

人口上限250人だとしたら、帝王押しの段階でおよそ80~100人、最終的に150人くらいまでもっていきたいです。まずは木と肉をしっかり確保して軍を準備し、様子を見ながら農民を少しずつ荷馬車に変えて交易を始めるような流れにします。

復帰後の軍事

基本的に帝王まで何も出さない

どうしても出したいというのなら騎士対策の長槍だけ良いでしょう。復帰後は基本的に逆転を狙う立場にあるわけですから、追いついてもいないのに城主戦から始めてしまうと結局相手が先に帝王インして蹂躙されるだけです。味方に負担がかかる場面ですけど、ここはぐっとこらえましょう。

帝王序盤

騎兵と長槍が出せる文明は全て出します。鉄工所のアップグレードは鎧優先です。騎兵は主に包囲兵器対策と内政荒らし、長槍は徹底して騎士対策です。射手系は味方の誰かが重点的に出していてくれれば問題ないので、それをフォローする立場に回ることを意識します。

城建設

味方の裏で城建設

できれば帝王に入る前に建てます。場所は「敵に壊される心配はほぼないけど、遠投投石器を派遣するにはそんなに遠くない距離」を選びます。復帰している人が城を2個以上建てるのはレアなケースなので、要ともなり得る城は慎重に場所を選ばなければいけません。位置が定まらないなら、味方が建てた城の後ろにこそこそと建てるのも悪くはないです。

そして徴用を必ず研究します。基本的に安物ユニットで対抗していくので、数勝負で負けない為にも絶対に必要です。城を建てる理由はほぼここにあります。

包囲兵器

できれば少量の遠投投石器を長持ちさせながら立ち回ります。狙えるようなら敵陣に小屋寄せからの破城槌も悪くないですが、金の供給源がないまま破城槌の消耗戦になるとややもったいない気がするので慎重に。

とりあえず、金がないからといって出さないというのだけはやめて下さい。口酸っぱく言いますが、復帰からの逆転を目指す立場にある以上、耐えるだけでは普通勝てません。木や肉の売値が14でも遠投投石器の金を捻出して台数を確保しましょう。

交易

復帰する中で一番難しい話でしょう。金の供給量が限られていく中でどのタイミングでやるのか、そもそも交易をやるべきなのかと非常に迷うところがあると思います。

まずは結論だけ言います。絶対やってください。荷馬車数10とかでもいいです。以降、優先順位やタイミングの話になります。

金の優先順位

個人的には「テクノロジー」→「少量の包囲兵器」→「交易」→「ユニットのアップグレード」→「金ユニット生産」という順で金を回した方がいいと思っています。

交易よりも優先されるテクノロジーは何かと言われると、「攻撃以外の鉄工所テクノロジー」、「徴用」、「隊商、組合」、「長槍、騎兵」といったくらいでしょうか。ここまでならそんなに金は必要ないと思います。金500くらい味方から融通してもらえればなんとかなる話でしょう。

復帰する人が交易をする必要性

技術ではない性格的な話になりますが、普通の人は金の供給をサボると包囲兵器の生産を怠りがちです。これが非常にまずいです。ジリジリ追い詰められていくのは敵にどんどん小屋を寄せられているからだというのに、その小屋を破壊する手段を一向にとらないのであれば、城主の戦闘時間を捨ててまで復帰する意味がないです。金の供給源がないなら味方からもらえればいいですけど、味方は味方で金ユニットの生産に忙しいでしょう。であれば、自分は包囲兵器の金のやりくりをする為に動く、という意識を強く持つべきです。

復帰に強い文明

スペイン

おそらく最強です。安物は全てフルアップする上に、鉄工所のテクノロジーに金がいらないというのは、復帰の為の仕様とも思えるくらいです。交易ボーナスも長くゲームを続ける上では非常に大きいです。

中国

ハサー以外の安物は全てフルアップします。テクノロジーが全て安くなっているので、少量の金予算で多くのテクノロジーをカバーしてくれます。矛や砲台の研究のことを考えると、スペインよりも使いやすいかもしれません。

ビザンティン

安物ユニットのコスト削減と帝王進化のコスト削減が大きいです。復帰をする上である程度内政が完成すべきだというところがありますが、ビザンティンは帝王進化時間も含めてかなり前倒しに話を進めることができます。貢がれた時の復帰速度はピカイチです。

ブリトン

自力復帰をする時の復帰速度は全文明随一です。中心を乱立できるので復帰初速が段違いに速いです。城から包囲攻撃技術付きの遠投投石器を援護に出せば十分後半も味方のサポートに回れます。

復帰見本

AI戦ですが、復帰のイメージを伝える為のリプレイを作りました。

参考リプレイ(AOFE Ver2.2)

帝王に入るまでの復帰の流れが伝われば幸いです。機会があれば、実戦でのリプレイも作れたらアップしようと思います。

おわりに

復帰を丁寧に実践すれば、すぐに勝率が高くなるわけではないですが、少なくとも味方にとってとても嬉しい話であり、ゲーム後半の質が高くなります。復帰を極めることについては「効率の良い最適化された内政」、「的確な軍隊導入」、「劣勢からの逆転」、「味方との綿密な連携」といったAOFEに関わる重要な要素が沢山凝縮されているので、地味なことですがしっかり押さえておきましょう。

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