進化タイム追求論

毎ゲームの出来不出来について、どこが一番大きな要素として関わるか。 おそらくほとんどの上級者は「暗黒の時代の内政」と答えるでしょう。 その出来栄えの1つの指標として進化タイムがありますが、 初心者の人はあまりここを追求できていないようです。 後の内政効率にも派生して繋げられる話ですので、しっかりおさえていきましょう。

なお、以降は通常設定のアラビアマップを想定して話を進めます。

序論

理想の進化タイム

農民生産及び機織研究の時間は25秒、領主の時代への進化は130秒です。マルチプレイヤーゲームの場合、さらに追加して5秒のラグが発生します。これらを用いて理想の進化タイムを計ると、

という具合になります。(初期斥候込)
このタイムにどれだけ近づけることができるかが今回の話です。

皆さんは普段のゲームで進化タイムからそのゲームを省みることはありますでしょうか。最悪ゲームが終わった後でもいいので、ちゃんと見ておくと今後の成長に繋がります。当然、ゲーム中に良し悪しを把握し、それを判断材料にゲームを進行させるのがベストです。

今回はラグ無しで誤差3秒以内を目指します。相当詰めないと達成できない数字ですが、詰めるだけの価値は大いにあります。詰めれば詰めるほどに、各動作が洗練されていき、ムダがなくなって他に余裕ができていくものです。頑張っていきましょう。

最序盤

開始前

「開始前から!?」と思ったそこのアナタ、このゲームは集中力がモノを言います。結構バカにできない話です。

開始前カウントダウン

開始10秒前のカウントダウン。この時は当然パソコンの前に座ってますよね。深呼吸でもしながら気持ちを落ち着けましょう。

他のプレイヤーを待機中

他のプレイヤーの待機中。(画像はvsAIなので、他のプレイヤーが「読み込み中」などという表示は出ません。)いよいよゲームが始まります。

開始直前の黒画面

画面が一瞬黒くなります。ここから先行入力を受け付けます。「町の中心へ移動」→「農民生産」のホットキーをすかさず連打です。

町の中心の生産予約

めでたく先行入力成功です。先行入力をしておくことで、画面が見えた瞬間に農民や斥候の操作を始めることができるようになります。ここから理想の追求が始まります。

開始直後

家を建てる農民

いきなり鬼門です。「家を建てる作業」と「斥候や農民で羊を探す作業」、そして「それらの必要なユニットを捕まえて選択する作業」が一瞬にして必要になります。優先順位は家です。言うまでもないですが、家ミスを防ぐ為です。

先行入力のおかげで農民生産予約はマルチのラグを除けばほぼロスなく動きますが、家を建て始める時間は「農民の初期配置」、「農民を素早く選択できるか」、「どこに家を建てるか」によって変化します。家を農民2人で建てる時間は約17秒なので、家ミスをしない為には、ゲーム画面が見えてから約5~8秒以内に農民2人が家を建て始めなければならないということになります。これは集中してないと結構シビアな話です。ですので、開始前から気構えが重要だと話を取り上げた次第です。

羊を町の中心に移動

次に羊を見つけます。理想タイム追求という話なので、今回は運良く最初から見つけたという話にします。見つけ次第、右画像のように1匹だけを選択して最短距離で町の中心に向かわせるように移動させます。家を建てた農民がすぐに肉を採集する作業に取り掛かれるようにする為です。家を建て終えても羊が町の中心の中にいないとなると、作業が遅れる分で今後の農民生産に支障が出ます。

なお、個人的なやり方で恐縮ですが、筆者は最初の農民3人に対して、2人に家を建てさせ、もう1人は羊発見の為の探索ないしは立ち木を切らせています。残りの1人で家を建てるパターンもありますが、ほとんど似たようなものだと思ってますので、ここではあえて言及しません。

最初の羊肉採集

最初の羊を食べ始めます。食べ始めるのは4人目の農民が生産された直後からですが、ここで重要なのは3人の農民が一斉に羊を食べ始めるということです。筆者の場合、立ち木を切っていた農民+家を建てていた農民のうちの1人+4人目の農民を向かわせます。なぜ一斉に食べ始めさせるかというと、極力羊肉を腐らせないようにする為です。これは後述します。

一斉に食べさせるようにする工夫として、あらかじめ2人の農民を羊のすぐ近くで作業させておき、町の中心の農民生産ゲージが85%くらいになったら一旦町の中心に駐留させます。町の中心からの仕事割り当ては移動済の羊にしておき、4人目の農民が生産される直前に駐留していた農民を外に出します。これで3人が一斉に羊を食べ始めます。

5人で羊を食べる

5人目の農民が生産された頃にはだいぶ落ち着いてるんじゃないかと思います。家を建てていた農民も合流してきて、5人で羊を食べる状態になっているでしょう。他の羊も中心回りに群がっているといったところでしょうか。

ここで注意したいのは、次に食べる羊の配置場所を適切な位置に置いておくことです。右画像くらいの位置に置いてしまっていると、農民が移動するだけで1~2秒のロスです。ちょっと詰めればすぐ直せるところでムダが出てしまうほどもったいないものはないので、ここも集中してしっかりやっておきましょう。

羊肉残量確認

6人目の農民も当然羊に割り当てます。ここでそろそろ1匹目の羊を食べ終える頃です。次の羊の食べ始めを迅速に行う為にも、あらかじめ羊の残量をチェックしておきます。残量が10前後なら、もう農民を選択して構えておき、1匹目の羊を食べ切った瞬間(ラグによっては食べ切る直前)に次の羊をクリックします。放っておいても農民は勝手に次の羊を食べ始めますが、場合によってはムダな硬直が発生してしまう場合もあるので、不安定な要素には頼らずにしっかりと操作していきましょう。

余談ですが、この流れでの本当の理想は、農民1人だけを選択しておき、次の羊を1発殴っておきます。肉として採集できる形になった瞬間に他の農民と一斉に肉を食べ始めるというのが理想の流れです。しかし、この作業にそこまでの見返りはないようなので、今回は無視しておきます。

イノシシ1匹目を食べるまで

農民生産予約の維持

農民生産予約は慎重に

良い内政を作る為の基礎中の基礎の話でもありますが、農民生産予約は前の農民生産が終わる前にしておかなければなりません。極端な話、農民生産が99%の状態で予約が間に合えばいいですし、100%になってから予約を入れてしまうとロスが生まれて進化タイムや内政発展速度に影響します。領主序盤の特異な競り合いを除いて、基本的に町の中心作業は止まってはいけないものだと認識をしてもらいたいものです。常に右画像のように農民予約が入り続けることが理想です。

記事の最後にも締めてますが、今回これだけは確実におさえてください。

獲得肉量の確認

所持肉量確認

7人目から10人目までは木こりという人が大半です。領主の戦術を考慮した内政配分は今回の記事の取扱範囲外なので、以降は触り程度にしておきます。

さて、8人目の農民予約を入れた時点で右画像のように肉量が35となっています。つまり、1匹目の羊農民から得た肉量は85ということになります。ちなみに、はじめから6人で羊を食べていると1匹の羊で89(実際は88.6くらい)の肉量を得られます。2~4匹目の羊を6人できっちりと食べ切ったならば、4匹の羊から得られる肉量は85+89+89+89=352(実際は351になるはず)ということになり、7人分の農民の肉量を確保することができます。

カンのいい人は気付いたと思いますが、1匹目の羊肉であと2でも肉をロスしてしまうと7人分の肉が取れなくなり、1匹目のイノシシから肉を取らないと農民がまわせなくなってしまいます。最序盤で1匹目の羊を3人の農民が一斉に食べなければいけない理由はここにあります。1人だけで羊を食べ始めてしまうと、羊肉の腐る量が増えてしまうので、もったいないというか進化タイムの詰めや操作量の観点からも非常に大きなロスになってしまいます。

2匹目以降でロスが発生することはあまりないので、8人目の農民予約を入れた時点で肉量が34または35であることがとりあえず必要です。おさえておきましょう。

屈伸作業

屈伸作業

農民が保持している肉を回収するいわゆる屈伸作業ですが、前述までの流れが全てきっちりこなせていれば、実は2~4匹目までは屈伸作業はいらなくなります。1匹目の羊の食べ始めの時間が早いことと、次の羊への移行がスムーズであればこれは達成できる話です。ラグがほとんどないゲームなら、結構ギリギリかもしれませんが屈伸せずに農民予約を入れ続けることができるはずです。

斥候の探索作業に重きを置きたい場合、農民生産予約の為に中心作業を見張り続けるとやや負担が大きいので、少数の農民を選択して屈伸作業をし、農民予約を入れておくのが良いでしょう。仮に全員に屈伸作業をさせてしまうと、素早く屈伸できなかった場合6人分のロスをまとめてかぶることになってしまうので、必要最小限に抑えておくのがポイントです。

イノシシを食べる

ロスなくムダなくタイミング良く

イノシシ食い

初心者脱出の大きな課題の1つが、ちゃんとイノシシを食べられるかというものです。町の中心からイノシシまでの距離を把握した上で、羊を食べきった農民がヒマすることなく連れてきたイノシシをすぐに狩りにいき、なおかつ町の中心の下でイノシシが転がるようにする…。初心者にしてみれば一度にこんなに沢山のことをこなさなければいけないというのは至難の業です。

はじめのうちは、とりあえず11人目の農民をイノシシ引きに持っていけば、羊農民があまりヒマすることなく町の中心に運ぶことができるでしょうけど、イノシシの配置はまちまちなので、毎回同じタイミングでうまくいくものではないです。そのイノシシの配置だけで暗黒内政の出来栄えが変わってしまうようでは、正直まだまだ初心者の域だということです。

言わなくても分かるかと思いますが、羊農民がヒマなくイノシシを狩ることができなければ、次の農民予約はほぼ間違いなくイノ肉を屈伸して回収しなければ実行できないので、当初の目標が達成できなくなってしまいかねないです。仮に最序盤の羊肉で必要以上のロスが生まれてしまった場合、さらにミスが許されなくなってしまいます。

イノシシ食い2

コツと聞かれても答えにくいところですが、遅すぎるよりは早すぎるほうがマシとだけ言っておきます。「なんだかイノシシの距離が遠いな」と思ったら、3匹目の羊を食べ切った直後に羊農民を1人イノシシ狩りに派遣していいと思います。イノシシが早く来過ぎてしまったら、少し奥気味にイノシシを誘導してからイノ引き農民を駐留させ、羊を食べきった農民がその後ゆっくりと料理してやればいいと思います。

2匹目のイノシシはむしろ早すぎるくらいに引いた方がいいでしょう。羊肉以上に消化が早いので、肉残量からタイミングを見極めるのは至極困難な話です。イノ肉残量180を切ったら2匹目のイノシシを引きに行きましょう。

領主押しまで

ロスをなくす為の話はほとんど話し尽くしたので、あとはイノ農民の屈伸作業さえ怠らなければ農民予約は維持できるはずです。一応、領主押しをするまでのその後の配分は、畑農民2人、いちご4人、木こり4人、あと全部イノシシ(だいたい8~9人)でいいと思います。ポイントとして、

などです。要は肉優先で内政をするってことです。

進化したい農民数に達したら機織をします。機織りをするときは、あらかじめマウスポインタを機織りの個所に乗せておき、農民生産が終わる頃から左クリック連打です。その後、領主ボタンを押します。領主押しも機織りと同じ要領で連打です。

ラグがきつい場合

懸念されるのは、2~4匹目の羊を食べているときの屈伸作業、イノ1匹目の最初の肉回収のタイミングです。ラグがきつくて予約が間に合いそうにないときに、前もって肉を回収して農民予約を維持できるか、そしてラグを見極めてムダなく屈伸作業できるかが肝です。ラグを見極めるなどというレベルは最初のうちはあまり頑張らなくてもいいかなと思うので、とりあえずラグのない環境(1人マルチプレイヤーゲームの実行:パッケージ版AOFEに限る)で今回の目標を達成していきましょう。

各文明追記事項

アステカ

肉を返すのが遅いので、屈伸作業がほぼ毎回必要になります。ラグのある環境でアステカが進化タイムを追い求めるのは非常に酷な話です。筆者もアステカだけは自信ないです。

イタリア

進化コストが安いという話は最後しか関わってきません。

インカ

七面鳥(ラマ)が1匹もらえる都合、最序盤の羊肉の食べ始めは安定します。理想進化タイム成功率という意味では一番かもしれません。

インド

微量ながら農民の生産コストが安いので、屈伸作業がほぼいらないですし、必要だとしても1人か2人の屈伸で済むでしょう。

ケルト

木が安いという話は今回の件ではあまり重要ではないです。

ゴート

イノシシが早く倒せてしまうので、イノ引き要注意です。遅すぎるとゴートの強みを活かせなかったり、思わぬところでイノシシが転がってしまってロスが発生してしまいます。

スペイン

最序盤の家建ては2人ではなく1人でも間に合います。羊探索は斥候+農民2人で行うことができます。

フランク

果実の採集速度が速いので、同じ配分なら領主押しの時は安定して押せそうです。

ブリトン

序盤の羊は5人で食べます。5人でも屈伸作業なしで農民予約を維持できます。5人のままだとイノシシを倒すタイミングが若干ずれたりするので注意です。

フン

最初から農民が羊を食べに行けるので、序盤の羊農民の屈伸作業は不要でしょう。羊肉を消費するタイミングが他の文明より少し早いので、イノを引くタイミングに注意です。

ペルシア

余計に肉50を抱えてのスタートなので、屈伸作業やイノ狩りを多少ミスしても余裕があります。インカと同じく安定度随一。

マヤ

1匹あたりから取れる羊肉は6人で101前後です。ムダなく肉を農民予約にあてられるので、屈伸作業という面では必要最小限で十分でしょう。

モンゴル

イノ肉の回収がとにかく早いので、イノ2匹目を引くタイミングは要注意です。イノ肉残量200くらいから引いてもいいと思います。

中国

進化方法が完全に別枠なので、こちらの記事にて。

朝鮮

農民の視界が広いので、最序盤の羊発見率は高いです。

日本

序盤、羊6人に割り当てた後、いちごに2人割り当てるという進化方法が一応あります。肉がかなり安定するので、農民予約の維持、領主押しはかなり容易となります。

おわりに

機織りなしでイノシシを狩ること前提に話してしまいました。初心者の人が見ると、ここから既にハードルが高いかもしれません…。けどまぁ、一人ですぐに練習できる内容だと思うので、機織りなしでも死なないコツはひたすら反復練習で体得してください…!

とりあえず、今回とにかく言いたいのは農民予約を維持させることが良い内政を作るための最重要項目だということです。記事の都合、暗黒の時代に重点を置いて話しましたけど、領主、城主の時代も当然に重要なことです。いくら町の中心が5個10個あったとしても、農民予約が入っていなければ内政は発展しません。

とにかく農民予約維持です、頑張りましょう。

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