遊牧を始めよう&ラジオ第6回「遊牧オススメ回」

概要

放送次第

標準マップで採用されている「遊牧」マップをほぼ未経験者向けに紹介した内容となっています。最もポピュラーなアラビアと比較すると、セオリーとして知っておかなければならない点がいくつかありますが、それ以上にAoE2の楽しみをさらに拡げることができるとても面白いマップだと思っています。

今回の内容はラジオで使用したスライドを補助資料として交えながら、基本的に初心者向けTipsのくくりでページを構成していきます。とはいえ、ある程度アラビアマップには精通していること前提の内容となります、ご了承下さい。

遊牧基本情報

初期保有資源は通常+町の中心建造分

通常文明の遊牧における初期保有資源
475 200 100 300

この数値からさらに、初期資源に補正がかかる文明は通常通りその補正を受けます。具体的には、

となります。また、町の中心の建造コストに影響がかかる文明は、通常文明と同じく町の中心分の資源が増えたままなので、補正がかかった分オトクになります。具体的には、

となります。

全体マップ(大:6人プレイヤー用)

※マップサイズが小さいほどに、マップ中央に湖は形成されにくくなります。
※本当に極稀に、外海が途切れず一周出来る場合があります。

全体マップ

拡大図

拡大図

町の中心を建てる

遊牧ポイント

最初から町の中心を建造する資源があるので、まずはいきなり町の中心を建てることを考えます。セオリーとしては、

となります。特に(4)ですが、迷った分だけ町の中心の建造が遅れる、即ち領主の時代への進化が遅れてしまいます。序盤から得られる情報は本当にごくわずかですので、失敗を恐れずにすばやく建てたほうが結果的に安定します。

初期位置の早期決定

町の中心の早期決定

初期配置で点在した町の人をどこに向かわせるべきかという所を、セオリーに沿って最初におおよそ決めておく必要があります。一例をいくつか紹介しますが、あくまで最初のフレア位置というだけであり、味方との兼ね合いで最終的に町の中心をどこに建てるべきかはまた別の話になります。

ミニマップ1
ミニマップ2
ミニマップ3
ミニマップ4

初期配置の微調整

全員がセオリー通りに位置決めをしようとすると、高確率で誰かと位置がかぶります。もし味方と極端に近い場合は、町の中心の視界範囲的に3個分ほど離れたほうが良いです。でないと、陸地のイノシシや鹿を味方と取り合う形になってしまい、お互いの暗黒内政を乱す可能性があります。

基本的に開始5秒以内にフレアを鳴らし、そこから微調整をして最終的に30秒以内を目標に町の中心を決定すると良いでしょう。

禁則事項

遊牧禁則事項

野良ゲーを含め、公式大会に則った形で遊牧には禁則事項がいくつか設けられています。しかし、LN(陸遊牧)と違って配置が安定しない都合、町の中心が建つ前から敵味方の町の人が交錯するシーンが多発して事故が起こり得ます。事故を未然に防ぐ意味で、Steam版であれば「和平時間:5分」の設定を入れてもいいとは思います。

公式大会のルールについては以下サイト(英語)をご確認下さい。

初期の町の中心を意図的に敵の町の中心の射程範囲に建ててはならない

いわゆるTCR(町の中心ラッシュ)を防ぐ為です。ペルシアと打ち合ったら勝てるわけがありません。なお、偶然かぶってしまった場合は干し直しになるのが通例です。このルールだけは暗黙の了解でほぼ守られています。

開始時に町の人同士で殴り合わない

相手が中国やマヤのような初期農民が多い文明と殴りあって勝てるわけがありません。この制限時間は「開始3分まで」や「町の中心が建つまで」と様々にあります。暗黙の了解という意味では後者になります。

町の中心を建てる前に建てても良い建造物

港、粉ひき所、1個までの家となります。これ以上の建造物の制限が解除されてしまうと、例えば、港を建造している町の人を意図的に柵で閉じ込めることが可能になってしまいます。

開始時に食べる目的でない羊、イノシシ、鹿を狩ってはいけない

これは野良ゲーだと守られないことの方が多いです。ほとんど大会限定ルールです。

多くの場合、イノシシや鹿を起点に町の中心を決めることになりますが、上記までのルールが守られていた場合、ノーリスクで相手のイノシシや鹿を妨害することができてしまいます。制限時間はこれも「開始3分まで」や「町の中心が建つまで」となります。

港を建てる

港を建てる

参考サイト:no plan「遊牧最新進化」

例外中の例外はありますが、港を絡めた暗黒内政は確実に身に付けておいたほうが良いです。通常の海マップと比べて「伐採所を建てなくても序盤から木を回収しやすい」という点が大きく作用しますので、それだけ港で漁船を生産しやすくなります。序盤から漁船を運用できるということは、始めから町の中心が2つあるようなものです。町の中心の個数が多いほどに内政拡大が捗ることを理解しているプレイヤーなら、この重要さが理解できることでしょう。

特に遊牧では陸地の食料が不安定なこともありますので、より安定した食料供給を求めて漁船に頼ることが多くなります。参考サイトでは細かく分類分けがありますが、ここでは2パターンに分けて書きます。

陸地の食料がある程度確保できた場合

羊6以上、またはイノシシ1+羊2以上がある場合を指します。まずはアラビアと同じように町の人の生産を絶やさないよう食料確保に努めます。その後、港を建てて漁船を生産するための木こり人数を増やしていきます。箇条書きにすると、

といった流れです。(2)(3)において、漁船の1隻目が生産できる木の量が貯まるまでに港が建てばとりあえずOKとなります。別の言い方をすれば、港が建つ前に木が75以上貯まってしまうようなら、建てに行くのが遅いということになります。この辺は場数をこなしながら慣れていきましょう。

陸地の食料がほとんど確保できていない場合

町の人で周辺探索

羊1~2程度、あるいはそれ以下を指します。この場合、陸地の食料供給よりも始めから漁船に頼った方が領主進化までの食料供給は安定します。どうしても町の人の生産は途絶えてしまいますが、漁船がある程度カバーしてくれます。前述と同じく箇条書きにすると、

となります。ここで(3)についてですが、漁船と陸地の食料農民の合計が概ね6以下になるよう設定します。例えば、「漁船1+羊5」「漁船1+イノシシ4」「漁船2+羊4」といった感じです。コンセプトとしては、陸地の食料供給が切れてしまっても、漁船だけで町の人が生産できるようになるよう調整するということです。即ち、序盤こそ漁船を優先にするので町の人の生産は必ず止まってしまいますが、一度町の人の生産が再開されたらその後は止めないようにする、そういう配分を考えるということです。

断っておくと、陸地の食料が厳しいというのは後手に回ってしまうパターンです。後手になりすぎないようにするにはどうするべきかという話をしているだけで、道中は陸地の食料源が他にないか(町の人の生産に影響しない範囲で)探し続ける必要があります。

領主の時代に進化するまでに気をつけること

建物の建て忘れ

建物不足

よくあることですが、最初の町の中心の位置が良すぎて、鹿肉の回収も粉ひき所を建てるまでもないなどといった場合、高確率で領主進化用の建物を忘れます。早めに伐採所を張り替える、最初から食料源目当てで遠方に粉ひき所を建てに行く、TR対策で採掘所を建てる、といったところを実行すべきでしょう。基本的には暗黒の時代で伐採所と粉ひき所は1個ずつ用意できるような内政にしておいたほうが良いです。特に、粉ひき所がないと市場が建てられないので気をつけましょう。

羊を使った事前探索

敵との距離が近い

確認しておくべき点は「敵の初期位置が近いかどうか」と「金や石が敵によって妨害される可能性があるかどうか」です。これらの情報を事前に察知しようと思ったら、羊を使った探索が非常に重要になります。特に金や石は前もって要所を閉じるなどとして敵が来るであろう箇所を塞いでおかないと、近くにあるのに掘れないなんてことになりかねません。アラビアと違って、初期の町の中心から決まった距離に金や石が必ずあるわけではないので、マップ端などをしっかりと探索して確認しておきましょう。

もっとも、未経験クラスであればこの辺りの要素が入り乱れる所が遊牧の面白いところとは思います。が、上級者ほどここをゲーム毎に徹底してきます。要練習です。

遊牧特有の戦い方

領主戦

目標領主進化時間は15分以内です。上級勢にもなれば13分以内で進化してくることもあります。主に以下のパターンに分かれます。

海戦
遊牧をするメリット

暗黒内政の要ともいえる漁船を荒らしに行きます。時代進化中に港を2個にしておき、金を4~5人割り振っておきます。進化中に事前に漁船を使って周辺探索をし、敵の港を見つけておくと荒らしがスムーズになります。定番は火炎ガレー船です。2隻1組で移動して相手の漁船を狙っていくと良いでしょう(Ver5.8以降、火炎ガレー船は漁船を倒しづらくなりました)。こちらの漁船が無傷のまま制圧できればかなりの内政差をつけることができるので、基本的にこの攻防に注力することが多くなります。

塔を絡めた近接戦

敵の初期の町の中心と極端に近くなることがよくある遊牧では頻発する話です。事前に石の確保は必須であり、これを奪われないように塔を上手に運用していく必要があります。ただ、遊牧は基本的に進路を塞がれやすいマップですので、塔だけでは頭打ちになる可能性があります。陸戦を別で仕掛けることが出来る味方に応援を呼ぶと、より進軍がスムーズになるので、塔を仕掛ける際は事前に味方に声を掛けておくと連携がスムーズになります。塔に集中するあまり、漁船の防衛がおろそかになって気づいたら劣勢になってしまうパターンもあります。漁船を守る余裕を残しておくのが理想ですが、この辺りはケースバイケースで非常に難しい話になります。

斥候

特定の文明で早期進化が狙える場合は仕掛けてもいいと思います。味方にとって情報量が増えるので、誰か一人がやるとありがたいところですが、漁船の防衛と両立がしづらい上に、遊牧は陣地を囲いやすいので不発に終わる可能性がかなり高いです。上記の塔と連携する場合は選択肢に入れておくと良いでしょう。

城主戦以降

即城主と言われる時間帯はおよそ17~20分までを指しますが、即城主進化でなくても漁船の影響でアラビアよりも進化が前倒しになることが多いです。領主進化と同じですが、建物不足には細心の注意を払いましょう。

即城主
城防衛

未経験~初心者クラスであればほとんどの場合、即城主した方が安定します。基本は騎士ですが、敵との距離次第では包囲小屋+神殿であったり、いきなり城をぶつけるパターンもあります。アラビアと大きく違うのは、前衛後衛の概念がほとんどないので、戦術に迷うようなら文明ごとの最も強力な戦術を選択すれば、帝王以降にも繋げられるので安定するかと思います。当然、味方への事前報告、道中の連携は意識しておきましょう。

陣取り

遊牧における城はアラビアよりもはるかに存在感が大きく、タイミング次第で一発で戦況がひっくり返る威力を持っています。ポイントは城主の時代に移行しやすい点と陸地面積がアラビアよりも相当狭いという点です。これらを意識しておかないと、いきなりの城強襲で為す術もなく遷都してしまうこともザラにあります。

対応の仕方はまたケースバイケースという言い方で恐縮ですが、後ろに引ける土地があるなら引いて対応するなど慌てないことが大事かと思います。早期の城強襲はほとんど止めようがない強力な戦術ですが、内政拡大を犠牲にしているので、安全に内政拡大を図っている味方と協力できれば後半での巻き返しが期待できます。

しかし、繰り返しですが遊牧は陸地の面積が狭いので、城1個が制圧できる陸地面積の割合が非常に大きく、金や石がそれで相手に占められてしまうようだと、後半の巻き返しが思うようにいかない場合もあったりします。強襲されてから別の金や石を探すようだと、時すでに遅しという可能性もあります。突き詰めていくと、暗黒の時代から探索を含めてどういうプランニングをすべきか計算立てて考える必要があり、遊牧における最も魅力的な所であり最も難しい所かと思います。

海戦の続き

火炎ガレー船は「大型ガレー船のアップグレード」で火炎船にアップグレードできます。これにより漁船が非常に狩りやすくなるので、城の関係で城主以降は陸地が中心という思い込みにならないよう、海のことも考えておきましょう。海が制圧できれば、沿岸の金や石を掘らせづらくすることもできるので、チームで誰か一人は必ずケアしておいた方が良いでしょう。

文明別評価

寸評ですが別ページに記載しておりますのでご参照下さい。

おわりに

おわりに

何が起きるか分からず、安定した勝利を求めづらいという点ではとっつきにくいマップかもしれません。スタンダードなマップと比較して、暗黒の時代から穏やかでない流れに巻き込まれる場面も往々にしてありますが、それこそ対戦ゲームの魅力と思える人には遊牧は本当にオススメのマップです。敵味方含めて様々な思いが交錯する中でいかに出し抜いて勝利を掴み取るかを考えた時、これほどやりがいのあるマップはないんじゃないでしょうか。失敗しても運の要素が強いという言い訳もできます(笑)ので、まずは気軽に、そしてAge of Empires IIの醍醐味が詰まったマップをぜひ堪能してみて下さい。

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