前衛城主イン追求論

おそらくほとんどの初心者の方は、後衛より前衛のほうがニガテだという人が多いと思います。その理由の1つに、うまく城主に進化できないが為にゲーム全体の流れに乗れないというのがあります。(たぶん)

ここでは、戦術別に城主インタイムの見本例などを交えて解説していきます。参考になれば幸いです。

前提

ここで紹介する内容は、全て前衛で領主戦術をまともに行った場合を想定しています。暗黒から動く民兵はここでは取り扱いません。

各戦術の城主インタイムは、その戦術について内政ボーナスの影響はないものとします。なので、どの文明もマジャールで動かしたものと思ってもらえればと思います。斥候だけマジャールに特典がありますけど、城主インタイムにさほど影響しないと思って話を続けます。

基礎知識

畑を張る

畑を張る

当たり前ですが、城主インの為には畑を張って肉を回収することが必要です。当たり前のことでも、ここでは声を大にして言います。城主インが遅い人は総じてこれがおろそかになってしまっているのですから。

畑を張るといっても、ただ張ればいいってものではないです。これも当たり前ですが、早く畑を張ればその分早く肉は溜まります。後からいっぺんに張ったところで、いきなり肉量は増えてくれないです。城主インを急ぐからといって、畑をとにかく沢山張ったり兵を止めるというのはちょっと違うということだけ認識をしてもらいたいです。適切なタイミングで畑を張り続けることこそが重要なのです。

兵生産予約

兵生産を予約しすぎない

兵を絶えず生産し続けなければ、相手がもし同じようなことしていた場合、単純に兵量差で負けてしまいます。なので、1秒たりともムダな生産をしたくないが為に兵予約を沢山入れたくなりますが、基本的に予約はしすぎない方がいいです。理想は町の中心の生産と同じく、生産ゲージが90%を超えたあたりで予約を入れるのが一番望ましいですが、操作量の都合、そういうわけにもいかないかと思います。かといって、予約を2個も3個も入れてしまうと、その分資源量が減ってしまい、前述した適切なタイミングで畑を張ることができなくなってしまいます。

鹿食い

粉ひき所と鹿が近いようなら食べよう

鹿食いが領主進化に特別絡まなかった場合、鹿は城主進化する上でとても重要な資源です。しかし、鹿の初期配置によっては安全に食べられるほどのものでもないのもまた事実です。理想は斥候で鹿寄せし、序盤の畑の代わりに運用するのが望ましいです。鹿寄せができれば、もれなく序盤から引き具を研究する余裕も生まれるはずなので、先の内政展開についていいことずくめです。

ただ、「鹿が食べやすい」かどうかは他のランダムな要素に比べてかなり影響力が強いので、この記事中では鹿はそこまで積極的に食べないものとします。(理想タイムは鹿寄せ前提でモノを言います)

手押し車

領主イン直後を除いて、押せたらすぐ押します。上手い目安もクソもないので、これでいきましょう。効能はもう語ることもないです、押しましょう。

一応付け加えですが、手押し車が押せるようになる頃には大抵畑が8枚前後張れているはずです。手押し車が畑の作業効率に与える効果は相当大きいわけですが、領主イン直後の畑の枚数だと効果は薄いです。領主序盤で他のテクノロジー研究や初弾の兵生産に肉を使ったならば、一旦は手押し車を押すタイミングがなくなるはずです。そして次に肉が175貯まって手押し車が押せるタイミングは上記の通り、という流れになるかと思います。

他の各テクノロジー研究

伐採所のテクノロジーである「両刃斧」はほぼ全員が即研究するとして、他の「引き具」や「金の採掘」の研究は城主進化タイムとのトレードオフに絡む話になるので、話が難しいところだと思います。

引き具は、最初から領主戦が長引くこと前提なら最初から研究してしまった方がいいでしょう。通常、引き具なしの畑は約9分40秒持つので、城主インが概ね22分を超えるようであれば、最初から引き具を研究してしまったほうが負担が少ないといえます。城主進化を急げば急ぐほど、引き具の研究コストは相対的に城主進化をする上で大きい負担となってしまうので、城主インを急いだ方が特典が大きい場合は引き具の研究はしなくてもいいといえます。最たる例が、領主中に生産した弓が生き残り、そのまま城主進化→即石弓となるパターンです。引き具を序盤に入れなければ、肉の温存がきき、畑も早期から展開できるなど、進化を急ぐ点ではいいことずくめです。

金の採掘はおそらくほとんどの人が領主中に研究はしないと思います。弓のように金を多く必要とする戦術だとしても、金場にいる農民はせいぜい8人前後だと思います。それに対して金の採掘を研究しても、両刃斧のような見返りはあまり期待できないといえます。肉100の負担は城主進化をする上でかなり大きいので、基本的には領主中の研究は控えた方がいいでしょう。

その他、各戦闘系テクノロジーは流れによりけりなので、戦況によって必要とあらばその時点で研究してしまった方がいいです。必要でないと思われるのは、弓の打ち合いというわけでもないのに、弓に鎧を入れることくらいです。

畑を張る

わざわざ別項目で書くくらいなので、重要な話です。

立ち木で時間稼ぎ

前述した「畑を張る適切なタイミング」を作る為、基本的に町の中心から生産された農民の仕事の割り当ては「中心付近の立ち木」がいいです。理由は、他の割り振りがよろしくないという話でいきます。

イチゴに割り振ってイチゴ農民を多くしてしまうと、イチゴを取り終えてヒマになってしまった農民を捌くのは非常に困難なので、イチゴは3~4人で固定です。イチゴが最後の1マスで残量も80を切ったくらいから徐々に農民数を減らしていけるといい感じです。(もっとも、イチゴを取り切った瞬間に城主イン用の資源が貯まる流れがあるなら、その限りではないですが。)

木こりに割り振ると、おそらく木こり場から畑を張る箇所まで長い距離を歩かなければいけなくなり、ロスが相当大きいです。木こりも基本10人固定など、数値を決めておいた方がいいです。金は軍が回るだけにしておけば問題ありません。金の配分は後ほど戦術別で。

というような具合です。木こり10人固定でも、兵生産を継続しながら畑を徐々に増やす為の木は十分に確保できます。つまり、農民生産毎にその農民が畑を張ることができることの方が多いとも言えます。であれば、そのような農民には木60が貯まっていればすぐに畑を張る仕事を与えたいので、その近くで作業できる資源場=立ち木という流れになるのです。

別記事で、進化タイムをよくする為に農民生産を維持することと書きましたが、さらに畑を(このような)適切なタイミングで張ることもルーチンワークとして取り込まなければいけないということは、初心者にとってややハードルが高いかもしれませんが、これを超えなければ城主インタイム負け=即死にもなりかねないです。逆に言えば、ここだけで中級者への道が開けると思えば後は練習次第です。頑張りましょう。

戦術別解説

以上までのことを踏まえて解説します。いきなり話が飛躍しますが、畑はきちんと張れること前提に進めます。

●城主イン目標タイム

城主押し時のおおよその畑枚数

前衛で今一番オーソドックスな戦術な弓です。肉を使わない兵なので、貯まった肉は単純に進化用にだけ貯めていけばいいと思えば、目安をつけ易いといえます。概ね右画像くらいの畑枚数を手早く確保することが望ましいです。

弓内政の肝は金農民の配分くらいです。領主イン直後は3~4人に留め、領主中は多くても8人で行きます。8人という人数は弓小屋2つで弓が回せるギリギリのラインです。実際、弓だけを回し続けるということはおそらくなく、散兵も時には織り交ぜるはずです。そういったタイミングで金を備蓄していき、最終的に城主押しをするだけ金が200貯まっていれば問題ないです。寸前で押せなければ弓生産予約をその時だけ解除すればいいだけです。とにかく金の取りすぎがそのまま城主インを遅くするという認識だけあればいいです。

斥候

●城主イン目標タイム

イメージは斥候を少数出すだけにして城主を急ぐパターンです。実戦では、内政の綺麗さよりも斥候による戦果や囲いの出来がタイムに大きく影響してくるので、なんとも難しい話です。ついでに言えば、鹿食いの有無が相当城主インタイムに影響します。初心者にとってはなんとも酷な話かもしれません…。

畑を張ることについては、木が60貯まったら即畑にしてもいいくらいです。兵の生産に木を使わないので、木の予算は深く考えなくてもいいでしょう。

斥候進化でのポイントはいつ金を掘るかというところです。血統以外に金を使う機会があまりないので、ほぼ城主押し用の金を貯めるために金を掘るという流れになるわけですが、城主押し用の肉800が貯まると同時に金も200貯まる…、そんな感じが理想です。そのタイミングはいつか、と言われると難しいところです。個人的には手押し車を押した直後から3~4人で金を掘るというタイミングが一番わかりやすいかなと思っています。どこからその農民を引っ張るかというと、中心回りで立ち木や羊肉を食べていた農民であったり、イチゴ農民を使います。木の農民数はあくまで固定していくという概念はなるべく崩したくないので。

意外と上級者にありがちですが、鉄工所の建て忘れは注意です。

槍散兵

●城主イン目標タイム

かつての初心者向け戦術は、今となっては城主インさせるのが最も難しい戦術と言わざるを得ません。その理由は弓と違って散兵が肉を消費するということもそうですが、その散兵自体の生産速度が速い都合、兵生産に資源を消費しがちというのがあります。加えて、斥候と同じく金を掘るタイミングも難しいです。槍散兵のまま戦いを進めるよりは、少しずつ弓を混ぜていった方が攻めも進化もやりやすくなるんじゃないかと思います。

まともに散兵を継続生産すると、特に序盤、木こりの量がとにかく多くなってしまいます。小屋の建設もあって畑を張る余裕があまりないですが、兵数で勝つことを優先させれば鉄工所は後回しでも良さそうなので、その分をなんとか畑に回して序盤の肉供給を安定させたいです。木があふれやすい戦術ですが、それでも保有木を常時150未満に抑えたいです。多少は木こりから農民を何人かはがして畑を張りに行かせるのもやむなしだと思います。

槍の生き死に、追加生産もやや城主インタイムに影響してきます。ただ、騎士の初弾が来るまではあまり躊躇せずに生産をしておきたいです。初弾が落ち着いてきてから槍を抑えるべきかどうかを判断した方がいいでしょう。

軍兵

●城主イン目標タイム

序盤から肉寄りに加え、金も少量ながら採掘する都合、戦果によってはそのまま城主進化用の内政に繋げることもでき、比較的早い城主インが狙えます。軍兵の戦果が芳しくなくても、そのまま金量を生かして弓にシフトすることも可能なので、こちらもまた城主インが狙いやすいです。

軍兵のまま城主インをするのであれば、鉄工所に加えて弓小屋、馬小屋のいずれかが必要になるので注意が必要です。塔を絡めるのであれば、石の掘り過ぎに注意です。城主初期に城を建てるプランがないなら、石250を超えたら石農民は1人でいいでしょう。

TR

●城主イン目標タイム

前線に農民を大量に派遣する上に、石農民も多くなるので、残りの農民はとにかく畑を張り、肉を回収することに努めた方がいいです。木こりは8人前後固定が望ましいです。戦果が芳しくないと、自陣に敵が攻め込む可能性が高くなるので、自陣にも塔が沢山必要になってきます。そうすると、必然的に石農民を減らすことが難しくなり、結果城主インが遅れてしまいます。軍兵以上に戦果に左右されやすいということは頭に入れておきましょう。

TRに限って言えば、相手よりも城主インが早ければ別段問題はないとも言えます。ただ、城主インが遅れれば遅れるほど、他国がぬくり戦術を実行した場合に全く対処ができなくなる可能性があるので、城主インを考えないプランはあまりオススメしません。

最終奥義:市場調整

市場買取表

人によっては常套手段と言う人もいるかもしれませんが、理想を追求するなら結局ロスが生まれる市場調整はあまりしたくはないものです。

しかしながら、AOC版だと市場を建てることはあまり気乗りがしないかもしれないものの、AOFEなら地図が無料なのもあって建てることの意味はとても大きいといえます。以下、戦術別に考察してみます。

斥候

起こりがちな金調整失敗の図です。

金調整失敗
300 750 50 200

あるあるだと思います。これで鉄工所を建ててないというのであれば、迷わず市場を建てて金調整だけすれば城主押しできます。

金の掘り過ぎ、あるいは木の消化不良が予想できます。

金木過多
400 550 350 200

これも市場を使えば城主押しにすぐ手が届く範囲かと思います。なお、弓に限って言えば城主インをして先手を打つ(遅れをとらない)ことが重要だと考えれば、石も調整用に売ってしまっていいでしょう。必要なら後で買い戻せば済む話ですし。

槍散兵

木と肉のバランスが狂ってしまうケースがほとんどでしょう。

木過多
600 500 100 75

これくらいの資源なら、もう市場を建ててしまい、無理矢理肉を買い金を確保すれば城主押しできるでしょう。連携の線を考えれば、木が余りやすい槍散兵なのでもっと早く市場を建ててしまってもいいと思います。

TR

石の堀り過ぎというくらいしか考えるシチュエーションはないですかね。

石過多
200 600 100 550

石は金に変えるコストこそ大きいものの、城主に入ればそのまま城建造用に回せるので、正直ここまであふれさせたくはないものです。なるべくなら木や金を駆使して調整したいところです。

TR→城主イン即城建造のプランなら、進化用の建物は鉄工所+市場になることがほとんどでしょう。このプランについては、市場を早めに建造してもいいと思うので、それを見込んで金掘りを早めにしておくとやや調整がやりやすいです。

余談:サラセン市場調整

市場買取表サラセン版

サラセンに限り、最終奥義ではなく常套手段として扱うことができます。市場が木100で建てられるので、使わない手はないです。採掘所と同等のコストなので、この辺は躊躇する必要はありません。加えて、金掘りは多少多くなってもいいです。10人くらいで掘ったとしても、肉を買うなどすればむしろ効率がいい場合もあります。

荒らされてしまったら

荒らされて資源バランスが崩れたときこそ市場調整の出番、といきたいところですが、とりあえず保有資源量をちゃんと確認しましょう。例えば、

荒らされた直後
500 300 150 75

こんな感じ資源バランスが乱れてしまったとします。この程度の肉量だと、市場を駆使して城主を急ぐとかえってバランスが悪くなって城主インもそんなに早くなったりしません。気を付けることは、

といったところです。この作業をするだけでもかなり立て直しがききます。先手を取られたとして、反撃を試みるのであれば後衛の手助けは不可欠ですが、最悪城主に入ってさえしまえば城を建てる選択肢もできるので、劣勢でも領主とは違った攻防を考えることができるようになります。

おわりに

前衛が城主インを早くする最大のメリットは、即死を防ぐことができることでしょう。特に、敵後衛の騎士に対して兵の質を上げることで対処しやすくなったり、敵前衛の射手系ユニットに対しても投石器を運用して容易に守ることができるようになります。また、当然のことですが、町の中心を増やすことが可能になることで、領主の時代とは比較にならないくらい内政を大きく広げることが可能になります。ゲーム全体から後れを取らない為にも、城主インタイムにはこだわっていきたいものです。

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