暗黒内政を極めよう
ここで言う「極める」とは、「少しでも資源量を多くしていく」ということに着目して色々細かい話を列挙していくものです。格上相手などで、「なぜ相手の方が軍量も質も上なのか」と思った時、よくよく見てみると暗黒内政から資源量が違かったというのはよくある話です。「そんなところで差を作らせたくない!」と思う人の為になれば幸いです。ちなみに、資源量以外にも陣地の作り方的な話も交えています。
内政全般
建造は基本的に一人で行う
一つの建物を沢山の町の人で建てる時、建造時間は以下のようになっています。(参考URLはこちら)
町の人 | 建造時間 | 町の人 | 建造時間 | 町の人 | 建造時間 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 100.00% | 11 | 23.33% | 21 | 14.00% |
2 | 76.00% | 12 | 22.00% | 22 | 13.33% |
3 | 61.33% | 13 | 20.00% | 23 | 12.67% |
4 | 50.67% | 14 | 19.33% | 24 | 12.67% |
5 | 43.33% | 15 | 18.67% | 25 | 12.00% |
6 | 38.00% | 16 | 17.33% | 26 | 11.33% |
7 | 34.00% | 17 | 16.67% | 27 | 10.67% |
8 | 30.67% | 18 | 15.33% | 28 | 10.67% |
9 | 28.00% | 19 | 14.67% | 29 | 10.00% |
10 | 25.33% | 20 | 14.00% | 30 | 10.00% |
見ても分かる通り、建造に町の人を二人割いても建造時間は半分になりません。家は一人ならば25秒で建造できますが、これが二人なら19秒になります。つまり、本来ならもう一人がまるまる25秒仕事できたところが、二人で建造に携わると13秒損してしまう計算になります。一人の町の人が1秒あたり0.3の資源を回収するとした時、これだけで資源4は損する計算になります。微々たるものですがもったいないです。採集所の建造も一人なら35秒ですが、二人で約27秒なので19秒(資源量約6)損してしまう計算です。こういったことの積み重ねが後々になって「領主進化ボタンが押せない!」などに関わってくるようになると本当にもったいないので、できれば建造は一人で行うようにしていきましょう。
採集所の集団建設
集団建造が非効率だという話はこちらでも続きます。下画像のような例です。あるあるだと思います。
見ても分かる通りですが、このように町の人を100%建造までやらせた後の自動配分において、町の人は左側の資源を優先して採集する傾向があります。採集所から近い所を優先して取ってくれると勘違いしている人が多いので、これは気をつけてほしいです。
集団で同じ箇所を掘る傾向が強い金は特に注意です。
余談ですが、自動配分において既に他の町の人が資源を採集しているかどうかは関係ありません。自動配分に任せると非効率的になるので、採集所を建てたら必ず町の人を最適化させるクセをつけましょう。
採集所の効率の良い建て方
(1)伐採所
基本的に、採集所と資源場が隣接している箇所を多くするように建てると良いです。
この例では、上に建てると隣接箇所が7マスもある為、序盤の効率は最効率です。
他の例はこちらです。
どちらでも変わらないように見えますが、右側の伐採所を選ぶと、小さなスキマに町の人を潜り込ませる事によって、隣接した資源場を同時に採集する町の人を多くすることができるようになります(左側伐採所は2人、右側伐採所は3人)。お得になる資源量は一桁レベルでしょうけど、この記事ではこういった部分を突き詰めていく話で進めていきます。
(2)粉ひき所(果実)
伐採所と同じく、隣接箇所を増やす考え方が望ましいです。各配置に対しての最効率を列挙しておきます。
一つ議論の余地がある例があります。
効率だけを考えるなら隣接箇所が一番多く、他の果実からもあまり離れていない右画像の例が最効率です。しかし、果実は序盤から敵に狙われやすい箇所であり、とっさの場面で柵を活用した防衛が必要な場合がほとんどです。もし前衛なら効率のことよりも下画像のように安全面を優先した方がいいかもしれません。付け加えですが、防衛面を考慮するなら、粉ひき所の位置はなるべく町の中心から近い位置にした方がいいこともあります。
(3)石切り所
戦術によって最効率の出し方が分かれます。目安としては、3人までなら隣接型、4人以上は1マス空けての詰まり防止型にした方が良いです。
モンゴルやサラセンのようなユニークユニットに頼りたい文明は、将来的なことを見越して最初から1マス離しておいた方が良い場合もあります。
(4)金鉱所
金は1マスあたり800も資源量がある為、木(100)、果実(125)、石(350)とは考え方が大きく異なります。金は序盤は少人数(多くても7人)、後半は大人数(15人以上)となる場合がほとんどであり、その流れに沿って1個の採掘所だけで効率良くなるようにする必要があります。一つ、分かりやすい例を示します。
これは1マス隣接してるような右画像のように建てるのが正解です。一見詰まりを起こすパターンに見えますが、1マス出っ張っているところは最初に人数を多く割いて途中で掘り終わらせます。金1マスを町の人3人で掘り続けると、最短で約760秒(12分40秒)で掘り終えることができます。一般的な即城主なら11分前後に掘り始めるので、24分頃には1マス消せる計算になります。24分頃は騎士量産の為に金を掘る人数を多くする頃なのでちょうど良い計算という感じになります。
上記のようなことを考えない場合、基本的には1マス離した先の金と沢山ありつける場所を選択します。
なお、金に限っては町の中心を合わせて建てることが多いです。採掘所を建てる前に町の中心をどこに建てるか必ず計画建てておいてから、その場所を邪魔しないような位置に採掘所を建てる必要があります。
(番外編)町の中心
町の中心のオブジェクトは4×4の16マスで構成されていますが、そのうち4マスは進入不可能領域です。
ですので、これを考慮すると資源場の下に町の中心を建てる時は1マス離して建てないと非効率となる場合があります。
町の人がヒマをしないようにする
操作に余裕がある時は「待機中の町の人」のホットキーを押すクセをつけておくのは当然として、他に気をつけるのは以下のようなパターンです。
- (1)柵をはった町の人
- うっかり閉じた後の操作を忘れることはよくある話です。ホットキー以外にもナンバリングをしておくと、敵の初期斥候を警戒するのにも使えます。
- (2)建物建造の上に乗っかっていた町の人
- この町の人の習性を知らない人がもしかしたらいるかもしれません。他にも、小屋を並列して同時に建てようとした時に、一人目の町の人がうっかり隣の小屋の建造範囲内に入ってしまっていることがあります。
- (3)イノシシを食べ終わった後の町の人
- イノシシは大抵の場合7人以上で食べているかと思います。食べ終わった後の町の人が次の仕事に着手するまでの時間が遅ければ遅い程、そこで回収できる(他の)資源が少なくなってしまいます。冒頭の建造時間でも述べた町の人の1秒あたりの仕事量を用いると、7人で1秒あたり2.1の資源を獲得することになります。つまり、食べ終わった後の町の人の処理に5秒(実時間にして3.5秒)かかったとしたら10の資源を損する計算になります。
- このような損をしない為にも、イノシシの肉残量はしっかり確認しておき、残量50あたりから少しずつ町の人を別の場所に移す作業をすべきです。もしくは、肉残量10を切ったところが見えたら、イノシシを食べていた町の人全員を、肉を持ったまま羊に移すのがオススメです。HD版を含めて最新のパッチは全ての肉を捨てずに共有することができるので、この仕様を活かして町の人がヒマである時間を少しでも減らす努力をしましょう。
イノシシ、鹿狩り
イノシシ、鹿の帰り判定
イノシシは追っかけていたターゲットが消滅した時、鹿は所定位置を他ユニットに離されてから次のポイントに移動し終えた時に帰り判定を行います。帰り始めるまでの時間はランダムですが、長い時は30秒以上、短い時は0秒です。この仕様により、イノシシに矢を引いても反応しない場合や鹿をちゃんと寄せていたはずなのになぜか帰るといった現象が発生します。
特に、イノシシを引いても反応しなかった場合について取り上げます。通常、イノシシに町の人の矢を2回当てるとずっとついてくるようになる仕様がありますが、最初の1発目で帰り判定0秒を発生させた場合は例外です。ですので、1発目の矢を放った時にイノシシが町の人に向かってきているかは確実に確認しておかなければなりません。
イノ死しない
当たり前なことを言うようですが、具体的な被害量をイメージしていない人がいそうなので、項目として取り上げて言っておきます。
先ほども使いましたが町の人一人の1秒あたりの仕事量0.3(資源によって様々ですが、ここは最低値)を指標として使います。1匹目のイノシシを引く時間帯はだいたい4分30秒頃ですので、ここでイノ死したとします。領主インが10分30秒だとすると、そこまでの6分間町の人一人が全く仕事をしていなかったと言えるので、6×60×0.3=108もの資源を損した計算になります。108って資源量が序盤で物凄く貴重なのはさすがに初心者の方でもお分かりいただけるかと思います。これがイノ死の効果です。当然、領主以降も相手がミスしなかったと仮定すると、差は少しずつですがどんどん広がるということになります。
そのイノ死をしないコツと言われても難しいですが、
- (1)自信がないなら機織りをする
- (2)坂道に気をつける(丘上から2発襲われると機織りなしで3発で死亡)
- (3)町の中心下で他の町の人のHPにも気を配る
といったところでしょうか。特に(3)についてですが、イノシシを引いてきた町の人を駐留させるとき、HPが減っている町の人も一緒に駐留させるクセをつけるようにしておきましょう。イノシシの再ターゲット先が傷ついた町の人にならないとは絶対に言い切れないので、100%の仕上がりを確実にする為にも実行する必要があります。
イノ死回避の究極奥義「建物ガード」
手順は以下の通りです。
- (1)イノシシと町の人の間に建物の基礎を置く
- (2)イノシシが建物の基礎の上に立ったら、町の人でその建物を右クリック連打
- (3)イノシシが攻撃する直前までには攻撃をやめる
(2)の部分で建造動作が反映された時にイノシシがその建物に乗っかっていると、イノシシはその建物から立ち退こうとします。反映のタイミングは明確に掴めないようなので、右クリック連打で反映を確実に行わせます。最悪、最後の一発を食らったら町の人が死んでしまう時にイノシシの攻撃モーションを見ることにもなり、かなり恐怖を覚えますが、一連の動作の1つなので押さえておきましょう。家を使えばかなりラクにできますが、フンは家が建てられないので柵でこれをやるしかないです。できれば柵で練習してみてください。
駐留解除後即射撃
集合地点の設定を右クリックだけでしか行ってない人にとっては覚えてもらいたいテクニックです。
町の中心から生産された町の人の集合地点設定は右クリックで行いますが、これをイノシシや鹿に向けると集合地点の設定ではなく矢の発射ターゲット設定になってしまいます。これを回避するには別で用意されている「集合地点を設定」のコマンド(デフォルトのホットキーはI)を使用します。
使い方は下画像通りです。これで駐留した町の人が外に出る時にすぐ矢を放ってくれるようになります。
駐留している町の人をすぐにでも仕事に着手させようと思ったらこのテクニックは会得しておくべきです。鹿寄せにも大いに利用できますので練習しておきましょう。
町の人の挙動など
詰まりを起こすカラクリ
最少3人の町の人で採集時の詰まりを起こします。冷静に見てみると詰まるのは当たり前と思いますが、これが実戦だとなかなか解消できなかったりします。
木こりが詰まっているならば、詰まりを起こす要因の箇所を先に優先して(右画像なら3人の町の人で)切り倒しておく方が良いでしょう。暗黒内政時に木こりだけずっと注視するわけにもいかないので、原因だけ取り除いてあとは別の操作に集中すべきです。
ただし、これが金鉱になるとそうもいきません。詰まりの要因となる金を取り除こうにもすぐには取り除けません。こうなってしまうと町の人を上手く移動させるか、そもそも最初から採掘所の位置を間違えてしまったというしかないです。話が戻るようですが、採掘所は詰まりを起こさないような建て方を工夫すべきですし、1マス空くようであれば手押し車、荷車の効果が大きかったりします。押さえておきましょう。
町の人をなるべく歩かせない
町の人が10マス分を歩くのに11秒かかります(LN記事参照)。11秒は資源量3に相当するので、意外とちょっとのことで資源量を損する計算になります。
歩かせないように気をつけることとしては、
- (1)一度決めた資源場からなるべく動かさない(進化手順はきっちりと)
- (2)囲いは近くの町の人が行う
- (3)小屋建設、家と囲いは同時に
(3)について補足すると、囲いの基礎用に家を作るのはよくある話ですけど、後から柵で閉じるつもりがあるなら最初から家建造に続いて柵も建造を進めておくべきだということです。家を建てた町の人が一旦資源場に帰り、別の町の人があらためて囲いに向かうと1往復分(資源量およそ10以上)損してしまう計算になります。
他にも、家を建てた町の人に民兵生産用の金を持って帰らせるなどといったテクニックもあったりします。
町の人を使った囲い漏れの確認
囲ったであろう先を町の人で移動させようとするとよく分かります。
この比較画像の場合、移動しようとしたら町の人が正面ではなく左に行こうとしているので、きちんと閉じれていることが分かります。この辺は決して驕ることなく確認作業を1回使ったほうが良いでしょう。この確認作業を漏らしたが為に穴が空いていて敵に攻めこまれてしまったというのであれば、イージーミスという他ありません。
以下の画像もよくある例です。マップ端だから大丈夫だと思って油断してはいけません。こういうのも町の人を1回試しに移動させてみれば済む話です。操作に余裕がある内に実行しておきましょう。
資源場は深く囲う
適当な日本語が思いつかずすいませんが…。要は下画像のことです。
木こり場は意外とすぐに枯れがちです。領主後半にもなると内側の柵付近まで到達するようになり、射手ユニットの餌食になりやすいです。他にも、柵と隣接した木を採集することになればそこに穴ができてしまい、それに気がつかなければ囲いが不完全となってしまいます。外側であればそのような心配は少なくなり、しかも内側にさらに再補強する余裕もあるなどいいことずくめです。狼がやや怖いところですが、これを実行するとしないとでは特に前衛時で差が歴然です。リプレイを確認しながら適切な囲いを研究してみましょう。
初期斥候
初期斥候vs町の人
暗黒の時代の初期斥候は機織り付の町の人と1対1で負けます。しかも自動的に町の人が殴り返してきます。ですので、相手のスキをついて町の人を倒すといった行為は不可能に近いです。小屋建設妨害などしたくもなりますが、やるだけHPのムダです。控えましょう。
なお、初期イーグルは機織り付の町の人に勝ちます。不用意に囲っている町の人は初期イーグルに狙われやすいので要注意です。
イノパクを初期斥候で妨害
やられて悔しいイノパクですが、取り返せる可能性として一番有効なのはイノシシの移動を自分の斥候で妨害することです。相手の斥候のHPが一桁なら斥候を倒すことを狙ってもいいですが、敵陣に辿り着かれるまでにそう何回も殴ることができません。相手もイノパクには相当の操作量を使っているはずなので、こちらはひたすらイノシシが元の位置に帰るよう相手の斥候とイノシシとの距離を離すように邪魔をした方が成功率は高いと思っています。前述の帰り判定0秒が選ばれれば、距離が離れた瞬間にイノシシが帰るのでそれで相手の斥候は諦めるでしょう。
おわりに
読み終えて「大体知ってた」と思った人。これらを毎ゲーム確実に失敗なしでやろうと思ったら相当の集中力がいるんじゃないでしょうか。ラグがあればなおさらだと思います。実際のところ、暗黒内政を極める上で一番重要なのは、ゲーム開始前に集中力を最大限高めることだと個人的には思います。当たり前のことを当たり前のようにこなすのは意外と難しいという自覚さえあれば、その辺はどうにかなるかなと思います。
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