ラジオ第12回「帝王の感想戦は大事だよ回」

概要

放送次第

初心者の方がAoE2の特訓をしようと思った時、ほとんどの人が領主~城主くらいまでの進化練習をひたすらやると思います。上級者でも暗黒内政の重要さを説くくらいですから、それがAoE2の上達の近道はおそらく間違いないでしょう。

そんな流れで育ってきたプレイヤーの多くが今後つまずくポイントは帝王戦でしょう。帝王戦の場合、それまでの経過次第で最初に何をするべきかという選択肢が様々にあり、文明の特性が領主の時代に比べてさらに色濃く出てくる為、これまで培ってきた知識量が試されるといった戦いが求められます。

しかし、帝王戦は一人で手軽に練習出来るものではありません。基本的に、対人戦の経過で帝王戦に遭遇した時のみ、実地演習といった形で特訓できるものだと思います。であれば、1回の帝王戦で出来る限り多くの情報を持ち帰ることが効率良く帝王戦で上達するカギと言えます。そのため、ゲーム終了後に帝王戦でどう立ち回るべきだったかを議論する場が非常に重要になってくる、というお話です。

付け加えで、「拡張版ならではの帝王戦」を題材に小話を取り入れようとしましたが、防御塔の話しかなかったです…。企画倒れに泣いた今回のラジオです。

帝王戦で上達するキモとなる部分

プランを考える

帝王戦をそつなくこなすには、ある程度予習の部分が必要です。即ち、ある文明について、帝王で取り扱うことができるユニットやテクノロジーを把握しておき、その上で何が得意で何が苦手かを出来る限り頭に詰め込んでおくことが大事です。そして、対峙した相手と様々な軍隊を交錯させながら駆け引きを楽しむのが帝王戦だと思います。

言われは色々ありますが個人的に大事だと思っているのは、最初のうちは固定観念をできるだけ取り払うことです。極端な例で言うと、「フランクは全文明で一番強い近衛騎士を使うことができるから、近衛騎士を使うべきだ」という話です。しかし、近衛騎士もらくだや矛の前では万能ユニットとは言えません。こうなったときにフランクはもう為す術がないかと言われたらそうではないでしょう。フランクには砲撃手もあるし、あまり日の目を見ないフランカスロウだってあります。使い方次第では可能性を見出だせることだって十分にあることを、「フランクで近衛騎士がダメなら終わり」のような結論を急ぐ流れにしてしまうともったいないです。

とりわけチーム戦なら、らくだや矛に対応しやすい味方がきっといるはずです。この辺はゲーム後でも良いので、味方と相談してどういう軍隊の組み合わせが妥当だったかを議論する必要がありますし、当然ながら一人で結論を出せるものではありません。この議論の際、できるだけ謙虚に人の話を聞くことも非常に大事です。即ち、他人の意見に聞く耳持たずとなっては自ら可能性をなくしてしまうことと同義であり、以降の成長が望みにくくなります。多くの可能性に対して貪欲に突き詰めていける人こそ、帝王戦で大きく成長でき、AoE2上級者になれるものだと思っています。

帝王戦の感想戦をする

感想戦

右画像の通りですが、実行した自分の戦略が有効だったかどうかを確かめるには、実際に起きた数値も大事ですが直接対戦相手に聞くのが手っ取り早いです。その効果がどれほどだったかが分からないことには、以降の検証もしようがありませんし、改善点を見出すことも難しくなってしまうでしょう。

またゲームの特性上、同じ場面を再現することが非常に難しいことも感想戦をする必要性の裏付けとなります。例えば、囲碁や将棋はターニングポイントとなった場面を振り返りたいとき、全く同じように駒を並べれば状況再現をすることができ、どうすれば良かったかを沢山の人で無制限に検討して答えを導き出すことができます。しかし、AoE2の場合、まずリプレイを再生してその場面まで持っていかなければ再現ができません。映像として再現できたとしても、特定の一手を求める囲碁や将棋と違ってAoE2は限られた時間の中で操作できる手の数を厳選しなければならないので、プレイヤーによって操作量がまちまちである以上、完全に再現をするのは不可能と言えます。

再現が困難ならばどうするべきか。対戦相手とその場で状況を頭の中で振り返り、熱の冷めない内(記憶が薄れない内)に議論を交わす必要があり、それが最良の検討手段と言えるでしょう。もっとも、相手から見て自分の保有資源等の情報はすぐには見えないので、例えば待機中の農民が多かったから出来る限りゼロにするだけで良かった、という場合があったりします。この場合は感想戦というよりもリプレイ再生によるチェックの方が有効でしょう。

感想戦を通して見つけてほしいことは、他人の意見を聞くことでプレイ中には見えなかった可能性を見つけ、全体マップを俯瞰しながら、やり方を変えることで起こせたであろう別の流れを導き出すことです。ゲームが終わった直後は熱くなることもしばしばで、他人の意見を謙虚に聞くなどということが難しい人もいるかもしれませんが、これが出来る人と出来ない人では確実に差がつきます。当然、聞き入れた後も練習に取り組んで同じようなことをしないようにする訓練も合わせて必要です。

帝王戦のコツ:進軍速度

進軍速度

上記までの話とはちょっと趣向の変わる話となります。帝王戦は特に城のような強固な建物によって守られていることが多く、それを突破しないことには勝利を掴めないという場面がほとんどでしょう。その際、建物の破壊をするのに各種攻城兵器を用意するわけですが、入り乱れた戦闘の中でこの攻城兵器の数を出来る限りキープし続けることが進軍速度を止めないコツだという話です。

進軍速度:押し返し

例えば、ある戦場で相手の軍隊を駆逐した後、「後は建物を壊せば終わり」という場面です。駆逐してからの状況を見て攻城兵器を用意し始めるようだと、その時間で相手はまた新たに軍隊を再編できてしまう可能性があります。これでは膠着状態を続けることになってしまい、いつまでたっても突破ができません。ですので、決め打ちでもいいので勝てること前提で少しずつ攻城兵器を用意しておくと進軍がよりスムーズになります。この点では、(主に射程系の)ユニットと建物の両方に相性が良い大砲は使い勝手が良いユニットだと言えます。

帝王戦の塔:防御塔

防御塔

拡張版になってから「狭間:Arrow Slits」のテクノロジー導入と防御塔の基本ステータスが向上したことを受けて、果たして防御塔がどこまで有効になるかという議論を最後に紹介しました。砲台が使える文明は、コストこそ砲台の方が高価ですが、その分威力が違うので基本的には砲台を使った方が良いでしょう。ここでは砲台がない文明で防御塔を使った方が良いかを議論しています。簡潔にまとめると以下の文明は有効だと思います。

ブリトン

防御塔を使うべき文明

ユニークテクノロジーの効果も相まって、防御塔の攻撃力が17まで上昇します。近衛騎士相手でも10ダメージ入るのは相当大きく、塔の本数次第で強力な拠点を築くことが可能となります。ブリトン自体、単体のユニットのスペックがあまり高くないので、人口を増やさずに布陣を強固にできる点は重要視するべきでしょう。

日本

同じくユニークテクノロジーの効果で塔が強くなる文明です。使用感もブリトンと同じく、ユニットだけではカバーしきれない戦力差を補強する存在として一役買います。遠投投石機との相性も良いので、相手に構える余裕も与えずに進軍していく為にも、塔の建造と共に進軍していきたいです。

インカ

数少ない防御塔フルアップ文明で、しかも塔のコストが安いです。インカの場合、城のコストも安いのでどちらが良いかは難しいところですが、相手の遠方の資源場を抑えるのに城のコストを投じるまでもないと思った時に、手軽に防御塔で制圧しにいけると思えれば強いかもしれません。また、味方が前線で城を建ててくれているのなら防御塔で援護、という使い方でも良いでしょう。

他の文明:総括

防御塔総括

正直、城の強力な有効性を差し置いて防御塔の方が使えるなどという場面は希少だと思います。石を売却して金に替えたほうが良い場合もありますし、帝王戦で防御塔の出番を考える方が難しいでしょう。しかし、感想戦の話にも通ずる話ですが、最初から可能性を切り捨てる考えは成長の可能性を止めることと同義であると思っています。ですので、「実は有効なんじゃないか」と半信半疑に考えるくらいの方がちょうど良いでしょうし、その方がAoE2を長く楽しめると思います。もっとも、実証できたらちゃんと切り捨ててあげることも大事です(笑)。

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