23年12月度変更点

2023/12/11付

2024/03/14付で最新パッチが更新されています。合わせてご確認下さい。

23年10月度変更点(2023/10/31)からの比較となります。Steam版が出る以前のオリジナル版(AoC)からの比較をご覧になりたい方は「AoCからの変更点」からお願いします。

通常ゲームでは発生しない内容やバグ修正系は掲載を割愛しています。参考URLをご参考下さい。

参考URL:Age of Empires II:Definitive Edition - Update 99311(AoE.com)

全般

聖職者の転向に関する仕様に若干の変更が入りました。端的には「一瞬で転向されたり、転向しない時は全く転向しない」といった両極端な印象だった転向の幅を見直して、ある程度予測しやすいものにしたという感じです。なお、平均転向時間という観点では従来と変更はありません。

他は1vs1ランクマなどで勝率や使用率の高い(低い)文明に対しての調整がほとんどです。ドロモンは使える文明が少ないですが一応押さえておいた方が良さそうです。

本パッチからゲームオプション「インターフェース」→「拡張ユニットステータス」にチェックを入れることで、ゲーム上でこれまで表記されていなかった「最少射程」「移動速度」「攻撃速度」「攻撃範囲」「回復速度」「作業効率(町の人)」「他者への強化ユニット数」などが表記されるようになりました。このゲームを初めてプレイする人にとっては情報過多になり得ますが、これまでAoE2に長く携わってきたプレイヤーの大半は非常にありがたいソースとなるでしょう。

スペック拡張表示

目次

詳細・解説

聖職者転向仕様改変

聖職者聖職者
転向確率を変更 25%→40%
転向間隔を変更 4~10秒→5~9秒

以下、転向に関するメカニズムをある程度把握していること前提で記載しています。転向に関するメカニズムはこちらなどから。

確率だけ見ると従来よりも転向が成功しやすくなったように見えますが、期待値を取ると従来と変更はありません。従来が「即座に転向する」か「転向を10秒間抵抗する」の割合が4割程度占めていたという問題を是正する為にこのような改変を行っています。

各転向抵抗要素を修正(平均転向時間に変更はなし)
各転向抵抗要素(最少, 最大は転向可能時間を指す)
斥候(イーグル)最少+3, 最大+1, 抵抗Lv+2(転向確率12.5%)
最少+2, 最大+2
チュートン
(チームボーナス)
最少+3, 最大+1
ベンガル
(象に対するボーナス)
最少+3, 最大+1
シチリア
(城主ユニテク)
最少+4, 最大+4

従来は時間幅はそこそこに、主に転向確率が下がる仕組みとなっていましたが、改変版では確率をいじらずに時間幅(特に最少値)を動かしています。従って、これらの効果を得ることによって、確実に転向されない時間をプレイヤー側が制御しやすくなったと言えます。なお、これらは全てユニットに関わる内容であり、建物に影響はありません。また、スペインの城主ユニークテクノロジー「宗教裁判」は従来効果のままです。

新テクノロジー「帰依」を実装
食料100 金150(城主):転向間隔を最少+1, 最大+1
帰依帰依
研究コスト
100 150
研究効果
転向間隔を最少+1, 最大+1

テクノロジーツリーには「抵抗力+15%」とありますが、これは平均転向時間が15%伸びるということを指します。改変された転向間隔とこの「帰依」を含めての重要な変更点は最少転向可能時間を意図的に2秒間伸ばせるようになったということです。これにより、斥候やイーグルでなければ聖職者の転向に近づくことを躊躇っていた距離感をある程度制御しやすくなったということになります。もっとも、転向のしにくさが劇的に変わったわけではないので、聖職者の転向を前にリスクのある行動は控えるべきというスタンス自体はあまり変わらないように思います。2秒という時間を重要と捉えるのはプロの1vs1競技シーンくらいでしょう。

アステカの聖職者は神殿のテクノロジーが増えたことで最大HPがさらに5上がって100になりました。

「信仰」の研究コストを変更 食料750 金1000→食料550 金750
「信仰」の効果を「転向間隔を最少+4, 最大+4」に変更
(帰依込みで従来の信仰と平均転向時間に変更なし)
「信仰」の研究前提で「帰依」の研究が必要に
信仰信仰
従来版
7501000
最新版
550750

研究コストは帰依と合計すると従来より食料100 金100安くなったことになります。従来の信仰は転向確率を大幅に減少させる効果もありましたが、それが最少時間の制御によって別の形で反映されたということになります。即ち、従来までは信仰を研究したにも関わらず運悪く転向されてしまったような事象が最新版では全く起こらなくなります。繰り返しですが、転向可能時間に入った際の転向確率は改変版の40%で一貫しているので、平均的な転向のしにくさは従来と変わりありません。それでも、大砲や象など高価なユニットの転向を抵抗したい場合はこの追加4秒(従来の素状態から比較すると6秒)の転向不可時間を有利に活かしていきたいところです。

一般

ドロモンの攻撃力を50→8に変更
ドロモンの建物に対するダメージを変更 135→34
ドロモンの包囲兵器に対するダメージを変更 20→2
ドロモンの城に対するダメージを変更 0→9
ドロモンの壁に対するダメージを変更 0→15
ドロモンの攻撃範囲を従来よりも広げるよう変更
(総合して建物に対するダメージ効率は従来のまま、ユニットに対して従来より20%減)
ドロモンの生産時間を変更 50秒→65秒
ドロモンドロモン

従来までは敵軍船が巡回操作などでマス単位で集約されたような状況下ではドロモンの一撃がとんでもない破壊力になっていました。これをある程度散らすような働きかけをすることで従来よりも爆発的な殲滅力だけは回避しようという具合です。

類似ユニットのキャノンガレオン船が生産時間46秒なのに対しドロモンが65秒まで伸びてしまったのはだいぶ大きいです。軍船対策も取れる便利なドロモンでしたが、できるだけやられないように動かないと補充が思うようにいかなくなる可能性があります。

「包囲攻撃技術」が爆破工作兵の対城,対壁のダメージに影響するよう修正
爆破工作兵爆破工作兵

従来は建物に対してのボーナスダメージにのみ寄与していました。今回の修正によって、何も強化していない石壁を包囲攻撃技術付きの爆破工作兵は一撃で破壊できるようになりました。滅多なことでそのような状況は訪れないかもしれませんが、AoE2マニアを名乗るなら押さえておきましょう。

「重騎士」のアップグレード時間を変更 100秒→80秒
重騎士重騎士

鉄工所の騎馬用甲冑が75秒なので、同時に研究することの多い重騎士もほぼ同タイミングで研究が終了するようになりました。見た目で防御力が上がったと悟られるようになったとも言えるので、その辺を駆け引きに混ぜていた人からするとちょっと面白くないかもしれません。とはいえ強化された話なのでありがたく受け取りましょう。

城主から重騎士にアップグレードできるブルゴーニュはより早めに供給できるようになって嬉しい限りでしょう。

ラバの荷馬車がユニットではなく建物として自動ターゲットされるよう変更
ラバの荷馬車の建造コストを変更 木100 食料20→木80 食料20
ラバの荷馬車ラバの荷馬車
従来版
20100
最新版
2080

伐採所などの建造物と比較して合計コストは同じになりました。食料を使うハンデを抱えているとはいえ、アルメニアとジョージアは序盤は木にゆとりが多少できて若干戦いやすくなりました。

軍事ユニットがラバの荷馬車込みの内政を襲った際、ユニット(町の人)を優先的に狙って欲しい所がラバの荷馬車をユニット扱いとして同様に狙ってしまっていた従来版が改善されました。軍隊操作に集中しきれない人にとってはありがたい話です。

なお、別枠でラバの荷馬車が町の人とあまり干渉しないようになったので、下画像のような超至近距離でも詰まることなく採掘できるようになりました。

詰まらないラバの荷馬車

アルメニア

「ガレー船が追加の矢を放つ」ボーナスにドロモンも対象に
ガレー船が追加の矢を放つ要素がステータス表記で分かるように修正
ガレー船の表記

ガレー船に特に変化はありません。ドロモンについても元の攻撃ダメージに修正が入った都合上、従来のアルメニアのドロモンと比較してトータルのダメージ量に差はほぼありません。現在ドロモンを使用できる5文明の中ではビザンティン(攻撃速度+25%、攻撃範囲+0.2(城主ユニテク))に次ぐ火力を発揮してくれます。

聖なる箱を持った戦闘神官が「活版印刷」適用時に視界が広がらなかった不具合を修正
戦闘神官戦闘神官

言うほどレアケースというわけでもないので、修正されたなら何よりです。

ラバの荷馬車で研究できる経済テクノロジーの効果が増加 +25%→+40%
「両引きのこぎり」削除
伐採効率比較

表記の数値は1分あたりの伐採効率を示しています(移動時間は考慮外)。

伐採効率最強のケルトと比較すると序盤こそケルトに軍配が上がるものの、城主以降はほぼ同じ効率になることが分かります。ラバの荷馬車が伐採する木との距離を自動的に詰めてくれることを考えると、最終的にはアルメニアの方が効率が良くなると言えます。アルメニアの文明特性からすると海軍で特に強さを発揮する文明なので、城主から帝王にかけて軍船勝負をするときは非常に頼もしいものとなるでしょう。

城主ユニテク「キリキア艦隊」による爆破工作船の爆破範囲減少 +33%→+20%
キリキア艦隊キリキア艦隊

爆破船が本来苦手とするガレオン船相手でも数で押して1隻でも敵軍船の懐に入り込めればすさまじい破壊力を見せつけていました。効果はややおとなしくなりましたが、アルメニアの総合的な海軍力のことを考えると依然驚異的な要素の1つであることに変わりはないです。

ベンガル

(EL)ラタ戦車の防御属性「弓騎兵」の値が増加0→1
(EL)ラタ戦車(近接)が20%の範囲攻撃を持つように変更
ラタ戦車ラタ戦車

防御面に関しては主に精鋭散兵やベルベルのらくだ弓騎兵用の対策となります。全体のダメージ比率からすると20%程度の削減に留まるので効果は実感しづらいですが、とりあえず硬いということだけ覚えておきましょう。

範囲攻撃の追加は敵の近接ユニットを牽制する意味では大きな働きとなり得ます。近接のラタ戦車の攻撃速度はそこまで速い方ではないので過信は禁物ですが、らくだなどに絡まれて反撃せざるを得ない時は思わぬ戦果を出してくれるかもしれません。

ボヘミア

戦闘馬車のHPを180→160に減少
戦闘馬車の攻撃力(メイン弾)減少 11→10
(精鋭)戦闘馬車の生産時間が増加 21秒→26秒
戦闘馬車戦闘馬車

即城主→城建造→戦闘馬車ラッシュが相当鉄板な戦術として採用されていたくらいには驚異的な存在になっていました。マイルドになったといえ、序盤は多くのユニットに抵抗しやすいのは変わりないので依然危険な存在です。

個人的には移動速度(0.8)が高いのをどうにかした方がいいとは思います。スコーピオン(0.65)がかわいそうです。

中国

町の中心の人口上限増加ボーナスを+10人→15人に、
視界増加ボーナスを+5→+7に増加

主に港を必要とする遊牧系マップで非常にありがたい修正となります。序盤は食料がとにかく必要な中国にとって港内政が出遅れがちになりますが、家ミスをある程度気にすることなく木を集め続けることができるでしょう。

通常マップでは最初からイノシシが見えるくらいに視界が広くなります。操作難易度は最上級クラスですが、最序盤の斥候がなんか悪さできなくもない気がします。

ジョージア

「修繕コスト-50%(チームボーナス)」が-25%に変更

チームで修繕コストを押さえることによって、たとえばTCラッシュのような初心者殺しの戦術が猛威を振るってしまっていました。ひとまずこれで様子見でしょうか。

(EL)モナスパの攻撃力上昇が基本攻撃値以外の追加ダメージ関連に作用していた問題を修正
モナスパモナスパ

全てのユニットには通常ゲームでは一切加わらない追加ダメージ用の要素が0ダメージで設定されています。これはエディタ等で他文明が特定のユニークユニット等を使用する際にその文明の効果を得るためにあります。

そんな0ダメージで済むハズだった要素がモナスパの攻撃力増加ボーナスでなんと追加で加算されてしまう重大なバグ(?)が発生していました。これにより、建物は超高速で破壊できるなどとんでもない悪さができてしまっていました。直近の大会でも議論が巻き起こった内容でもあったので、とりあえず修正されて何よりです。

ヒンドゥスタン

「町の人の生産コストが時代毎に削減」ボーナスが変更
暗黒-5%/領主-10%/城主-15%/帝王-20%→-8%/-13%/-18%/-23%
町の人町の人

従来版はこちらです。

通常
50
暗黒-5%
48
領主-10%
45
城主-15%
42
帝王-20%
40

最新版はこうなります。

通常
50
暗黒-8%
46
領主-13%
43
城主-18%
41
帝王-23%
38

従来は城主進化到達時までに目立ったアドバンテージを確保しづらい削減量でした。最新版では領主時に食料約70、城主時に追加で食料約140浮く計算になります(1vs1の通常の領主戦を想定)。これくらいなら他文明の内政ボーナスと比較して遜色ないメリットとして受け取れそうです。マップによらない万能さを活かしていきたいところです。

フン

(EL)タルカンの移動速度が上昇 1.35→1.4
タルカンタルカン

奇襲して建物を破壊する性能に特化しているタルカンが騎士(1.35)以上の移動速度を得るのはやりすぎかと思う所ですが、フンの現状の文明パワーを考えるとこれくらいの強化はあって然るべきという判断でしょう。

【新規】遊牧系マップでフンが最初の町の中心を建てた時、「フン族の馬」がもらえる
フン族の馬

馬は人口を圧迫せず、通常の斥候(暗黒時)と同様の探索力を発揮してくれます(但し、鹿系は馬に反応しない)。フンは港を必要とする遊牧でどうしても出遅れる文明だったので、マップ開拓力で挽回しようという働きになるでしょう。港を必要としない陸遊牧(LN)では単純に驚異的な開拓力で動物資源を確保しやすくなるので、敵陣のTC矢にさえ気を付ければ強力なアドバンテージとなります。

インカ

「軍事ユニットの食料コストが時代毎に減少」ボーナスが変更
暗黒-15%/領主-20%/城主-25%/帝王-30%→-10%/-15%/-20%/-25%
(EL)カマヤックの生産コストが減少 食料65 金30→食料60 金30

従来版はこちらです。

従来版インカの軍事ユニットの生産コスト(食料)の影響一覧
民兵系列60(元)→51(暗)→48(領)→45(城)→42(帝):城主以降、補給適用済と同等以上
槍兵系列35(元)→28(領)→26(城)→24(帝):城主以降、ビザンティンと同等
イーグル系列25(元)→20(領)→19(城)→18(帝)
散兵系列25(元)→20(領)→19(城)→18(帝):城主以降、ビザンティンと同等
カマヤック65(元)→49(城)→46(帝)
スリンガー40(元)→30(城)→28(帝)
爆破工作兵65(元)→49(城)→46(帝):おまけ

最新版はこうなります。

最新版インカの軍事ユニットの生産コスト(食料)の影響一覧
民兵系列60(元)→54(暗)→51(領)→48(城)→45(帝):帝王で補給適用済と同等
槍兵系列35(元)→30(領)→28(城)→26(帝):帝王でビザンティンと同等
イーグル系列25(元)→22(領)→21(城)→20(帝)
散兵系列25(元)→22(領)→21(城)→20(帝):帝王でビザンティンと同等……になぜかならない
カマヤック60(新コスト)48(城)45(帝)
スリンガー40(元)→32(城)→30(帝)
爆破工作兵65(元)→53(城)→50(帝):おまけ

カマヤックは従来よりもコストが1だけ安くなります。他は基本的にコスト削減が後ろ倒しになった感じです。計算式的にイーグルの食料コストは城主の時点で20になっているべきなのですが、ゲーム上では謎の圧力が働いて上記表記となっています。ともあれ、城主までにイーグルを50体出せば従来より食料100損する計算になるので、わりと大きい話かもしれません。

日本

弓騎兵の弓兵に対するダメージ+2から散兵系が対象から除外
弓騎兵弓騎兵

「投石機なんて出さなくても弓騎兵で全部蹂躙してやんよ!」から「やっぱ投石機いるわ…つれェわ…」になりました。ひどい話です。

朝鮮

(重装)亀甲船が地面指定の攻撃方法がとれるようになった
亀甲船亀甲船
亀甲船の地面指定

最近色々な強化をもらっている亀甲船ですが、やっぱりなかなか出番はないです。出番のありそうな内海系マップがそもそも人気がないのが原因かもしれません。

ペルシア

サヴァールの弓に対する追加ダメージが減少 3→2
サヴァールのアップグレード時間が増加 150秒→160秒
サヴァールサヴァール

チーム戦の帝王序盤で最も起こりうる衝突として弓+騎士の正面衝突がありますが、サヴァールがこの駆け引きを無視して戦果を上げやすかったように思います。最新版でも近衛騎士(170秒)より10秒速いので、迅速な運用が求められるのはそのままでしょう。

「騎乗ユニットが敵軍事ユニットを倒した時に金5を得る」ボーナス削除

城主弓騎兵の存在価値があまりに急上昇し、1vs1でその強さをまざまざと見せつけていましたが、1ヶ月強で消えてなくなりました…。逆にこれで弓騎兵を運用する価値はほとんどなくなってしまったのではないでしょうか。失笑を禁じ得ません(笑)。

ポーランド

フォルワルクの建造コスト減少 木125→木100
フォルワルクフォルワルク

粉挽き所と同等のコストになりました。直近のバランス調整で様々な内政要素が弱体化されて微妙な文明評価になっていたので、多少は取り戻せたでしょうか。たった木25の差がポーランド専用の独特の配分を生んだりしていてやりづらさを感じていたので個人的には強さ以上に嬉しい修正です。

ポルトガル

(改良)オルガン砲の攻撃力減少 7(9)→6(8)
(改良)オルガン砲の対歩兵、対散兵に対するダメージ増加 1→2
オルガン砲オルガン砲

従来と比較すると射程防御の高い騎兵系にダメージが通りにくくなってしまいました。

個人的には移動速度(0.85)が高いのをどうにかした方がいいとは思います。スコーピオン(0.65)がかわいそうです。

バイキング

城主ユニテク「首領」適用済みで歩兵が戦闘神官を倒した際、金が得られなかった不具合を修正

キックバックしていたのがバレたんでしょうか(すっとぼけ)。